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HOME > 海外移住資料館だより > 第14号 資料探検隊 Vol.14
第14号(2009年1月)資料探検隊 Vol.14
モルフィーちゃん
南米に住む青い蝶の妖精、モルフィーちゃん。 海外移住資料館のあれこれを、みなさんと一緒にお勉強します。 どうぞよろしくね!!

 

スポーツがつないだ日系社会〜受け継がれる日本の心〜

鯉のぼりは
移住地運動会のシンボル的存在
現地の人々にとって{UNDOKA」は
楽しい異文化体験

お揃いのTシャツで子どもたちも
気合いばっちり!!

婦人部が販売する
「OBENTO」は大人気です

すべてブラジル・タウバテ市の運動会の様子(タウバテ日本人会提供)

 海外の各地で、日本の生活や文化を守りながら生活してきた移住者たち。
お正月の餅つきや成人式をはじめ、移住地で行われるさ まざまな日本式の行事は、懐かしい故郷の伝統を 守り伝えるだけでなく、厳しい労働や、異文化の壁を ひととき忘れて楽しむための娯楽でもあったのです。
 そんな娯楽のひとつに、スポーツ大会があります。 スポーツ大会は、単なる娯楽の枠を超え、 異国の地で日本人同士がお互いの存在を確かめ合い、 親睦を深める場でもありました。
 今号では、移住者たちが行ってきた スポーツ活動が、娯楽の枠を超えて 各地で発展している様子を探ってみましょう。

ペルー中央日本人会の主催で行われた陸上競技大会の優勝旗(所蔵資料) 1966年、ブラジル、ロンドリーナで開催された移住地対抗陸上大会の優勝カップ(所蔵資料)
 

甲子園を目指す南米の球児たち

戦前、ブラジルの移住地で開催された
移住地対抗の野球大会
移住地で使われていた野球道具:
バット(アルゼンチン)グローブ(ブラジル)ユニフォーム(ブラジル)ボール(ペルー)
(資料提供:水谷末三さん)
(すべて常設展示)

 スポーツといえば、まず思い浮かぶのが野球。特に、南米のブラジルやパラグアイなど、サッカーが国民的スポーツである国々では、野球といえば「日本人のスポーツ」であると言っても言い過ぎではないかもしれません。
  昨年夏の甲子園で活躍した本庄一高校の伊藤ディエゴ、奥田ペドロ両選手をはじめ、春夏の全国高校野球で、ブラジル出身の高校球児たちが活躍する様子を目にした人も多いのでは?南米の少年リーグでは、日本の甲子園を目指して日々練習に励む日系人球児がたくさんいるのです。
  また、プロ野球の世界でも、かつては広島カープの玉木重雄選手(ブラジル出身の3世、99年に日本帰化)や、ヤクルトスワローズの岡林洋一選手(パラグアイ出身の2世)ら、移住地出身の選手が活躍しています。 


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移住地では、ママさんバレー大会や相撲大会、駅伝大会など、数々の大会が開催されて楽しまれてきたのよ。スポーツ大会は、移住地の人々の団結を強め、コミュニティの絆を深めるために、いまでも大いに役立っているのよ!

CANADA 野球の殿堂入りを果たした
日系人チーム「バンクーバー・朝日軍」

1992年、カナダで出版された朝日軍の活躍を記した本
「Asahi:A LEGEND IN BASEBALL A Legacy from the Japanese Canadian Baseball Team to its Heirs」
著:Pat Adachi

日本ではあまり知られていませんが、カナダにはいまからおよそ100年前、カナダ中の野球ファンを熱狂させた日系2世による野球チームがありました。その名は、「バンクーバー・朝日軍」。
  1900年代はじめ、日系人に対する差別や排斥運動がさかんだったカナダで、白人プレイヤーに比べると小柄な日系人プレイヤーたちが、頭脳プレイと、差別によるヤジやラフプレーをものともしないフェアプレー精神でリーグ戦を勝ち抜き、ついにはリーグ優勝を果たすという快挙を成し遂げました。朝日軍の快進撃は、日系人だけでなく、日系人を敵対視していたはずの白人たちをも熱狂させ、カナダ最強のチームとなったのです。しかし、1941年の太平洋戦争開戦で日本とカナダが敵対国となると、朝日軍は解散を余儀なくされてしまうのでした。
  そんな朝日軍ですが、悲劇の解散から62年を経た2003年、カナダ野球に対する貢献が改めて評価され、殿堂入りを果たしています。差別と偏見のなかでも常にプライドを忘れず、潔く闘ってきた朝日軍の雄姿は、日系カナダ人の伝統と誇りでもあるのです。

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運動会から「UNDOKAI」へ

サンファン移住地の運動会。参加賞を受け取る子どもたちはみんな裸足で元気いっぱい

ボリビア人の参加者も年々増えてるという。

 移住地で行われるスポーツイベントとして、もっとも広く親しまれているものは、運動会でしょう。地域の日本人会や日系人会、日本語学校などの主催で行われる運動会は、子どもから大人まで、そして、現在では日系人だけでなく、地域住民も加わった大イベントとして楽しまるようになってきています。
  ボリビア、サンフアン移住地で行われている運動会のプログラムには、玉入れやリレー、パンくい競争、騎馬戦など、日本の運動会と変わらない種目が並びます。近年、日本式の教育を受けさせたいと、移住地の学校に子どもを通わせるボリビア人が増えていることもあり、ボリビア人保護者の間でも運動会はそのまま「UNDOKAI」として親しまれているといいます。
  「ボリビア各地で、運動会を自分たちの地域の活動に取り入れようとする試みもあります。サンフアン地域でも、現地の公立校が運動会を行っているほか、市内エンコナダ地区の婦人会でも、交流目的の運動会を始めています。彼らにとって運動会は、日本人的な時間の使い方を学ぶ機会にもなっているようです。事前に準備することや、出場競技が始まる前から整列して待つことなど、日本人なら当たり前のことを、実践的に学ぶ場にもなっているように見受けます」とは、サンファンにある日系団体(サンフアン日ボ協会)で働く一世の伴井基三恵さん。
  サンファン移住地では、準備から後片付けまで、住民のほぼ全員が何かしらに参加し、一世から二世、そして三世へと、ひとつの行事を通して互いを知り、強調する気持ちを培っているそうです。家族全員でお弁当を囲むのも、重要なこと。 この日のために。主婦は早朝から起きてお弁当を作り、これは、母から娘。嫁へと受け継がれていくのです。

最近、サンフアン移住地内でもボリビア人女性と結婚する日系人が増えて、運動会はボリビア人のお嫁さんが日本流のお弁当を覚える機会にもなっているんですって!

在日日系人のスポーツ活動

フットサルスクールで少年たちに指導をする安光マリオさん

(写真提供:安光マリオさん)

  現在、日本国内で生活する南米出身の日系人の数はおよそ35万人。日本国内で生活する日系人たちもまた、生活のなかにスポーツを取り入れています。
  日本で働く日系ブラジル人たちの交流とストレス解消のために、国内でフットサルのチャリティ大会を始めたのは、日系ブラジル2世の安光マリオさん。自身も1993年に仕事を求めて来日し、現在は、浜松や磐田、掛川など静岡県でフットサルスクールを主宰しています。「違う国の人たちと分かり合おうと思ったら、スポーツが一番」と話すマリオさんは現在、フットサルの少年リーグを創設し、低年齢層の才能発掘にも力を注いでいます。
  同じく静岡県の浜松市にある、「士道館・児玉道場」では、ブラジル出身の2世、児玉哲義さんが武道を通じた地域活動を行っています。サンパウロ生まれの児玉さんは、空手の修行のために来日した浜松で道場を開き、地域で生活する日系人の子どもたちと出会いました。日本の学校になじめず、仕事で忙しい両親ともコミュニケーションが不足している子どもたちの現状をなんとかしたいと、夜の繁華街をふらつく外国籍の子どもたちに声をかけて歩く「夜回り活動」をはじめた児玉さん。
  「子どもたちに必要なのは厳しさと優しさ。空手を通じて他人を思いやる気持ちと目標を持たせたい」と話す児玉さんの道場には現在、夜回り活動での出会いがきっかけで空手やキックボクシングを始め、自信や目標を取り戻した子どもたちが元気に汗を流しています。 

浜松市主催のイベントで空手演武を披露した道場生たち。 中央が師範の児玉哲義さん 夜回り活動で出会った若者たちと。右側の少年は現在、道場でキックボクシングを学んでいる。
(写真提供:士道館児玉道場)
(写真提供:士道館児玉道場)

 

 

 
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