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HOME > 海外移住資料館だより > 第4号 資料探検隊 Vol.4

第4号(2006年7月)資料探検隊 Vol.4
南米に住む青い蝶の妖精、モルフィーちゃん。海外移住資料館のあれこれを、みなさんと一緒にお勉強します。どうぞよろしくね!!
コロニア万葉集
1978年の日本人ブラジル移住70周年を記念して編纂された『コロニア万葉集』(81年発行)。「椰子樹」の編集者たちが中心となって、戦前戦後あわせて1378人の作品6634首が一冊に収められた。

世界で詠まれる短歌・俳句
  〜異国でのくらしと望郷の念〜

 古くから日本人が親しんできた定型詩、短歌と俳句。日本を離れて海外で生活する日本人移住者たちによって世界各地に広まり、定着していることを知っていましたか?
  遠く離れた地で故郷を思う気持ちを、五、七、五(七、七)のシンプルなリズムに乗せて日本語で詠む短歌・俳句には、海外に暮らす日本人(日系人)ならではの視点や発想のおもしろさ、趣があります。短いフレーズに込められた移住者たちの想いや心の叫びに、耳を傾けてみませんか・・・?

日本語への愛着から歌が生まれる

 故郷から遠く離れた異国の地で暮らす日本人移住者たちは、外国語のあふれる中に身をおきながらも「日本語を忘れたくない」という思いを強く抱いていました。日本から持ってきた本や雑誌、マンガなどは、移住者同士で貸し借りし、ページが擦り切れるほど読みまわしたといいます。日本人が生活するところには必ずといっていいほど邦字新聞が存在することをみても、母国語を聞くこと、話すこと、読むことが、人間にとって満たされるべき欲求のひとつなのだということがよくわかります。
 特に、紙とペンさえあれば誰にでも楽しめる手軽な趣味として、短歌や俳句は移住者たちにとってうってつけの息抜き、楽しみであり、自己表現の手段でもあったのです。

コロニア万葉集より

モルフィーちゃん
 海外には、移住者たちの作った短歌・俳句の会がいくつも存在するのよ。移住者たちが詠んだ歌を一冊にまとめて歴史に残そうとブラジルで編纂された『コロニア万葉集』からは、移住者たちの暮らしぶりや心情が伝わってくるわ。
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移住者たちが生きてきた証として

椰子樹
1938年に創刊したブラジルの短歌同人誌『椰子樹』。 現在もブラジル 全土に200名ほどの会員がおり、年4回のペースで発行を続けている。

 移住者の多くは、異国での激しい労働の中でふと生まれたつぶやきや、息を呑むような壮大な景色を目にした感動などを、その都度、歌に詠んできました。生活習慣の異なる国での暮らしに少し疲れ、故郷を恋しく思うときに生まれた歌も少なくありません。海外にいるからこそ、日本を強烈に意識し、また、日本人であることを否応なく考えさせられるのでしょう。
  日本語で何かを伝えたい、残したいんだという、心の底から湧き出るような思いから詠まれた海外の歌には、移住者たちの人生そのものが沁み込み、私たちにさまざまなことを語りかけてくれるのです。
  いまでも世界の各地で日本人移住者たちによって、たくさんの歌が詠まれています。アメリカやブラジルなどでは、現地の言葉による短歌や俳句も数多く詠まれているといいます。移住者たちの心の支えでもあった短歌・俳句。短い言葉のなかに心情を凝縮した独特の世界観がいま、世界中で人々を魅了しているのです。

椰子樹創刊60周年記念『生涯・節目ふしめの歌』より


 資料館に併設されている図書資料室(海外移住)では、『椰子樹』や『コロニア万葉集』のほか、移住者・日系人による短歌や俳句の書籍を閲覧することができるわよ!詳しくはカウンタースタッフに問い合わせてね。
モルフィーちゃん
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寄贈資料紹介:「北米移住者の短歌作品集」
〜第2次大戦前の日系人の心情を知る〜

 このたび、アメリカはイリノイ州に在住の海野一水(かずみ)さんから、奥様よしゑさんの短歌関係の蔵書が当資料館に寄贈されました。

 よしゑさんは、ミシガン湖畔に立つ日系老人ホーム「平和テラス」にあった湖畔短歌勉強会のリーダーを長く務めてこられた歌人で、1980年に一家で移住されています。
 アメリカにおける日系人による短歌の歴史は古く、今回寄せられた資料の中にも、1934(昭和9)年に刊行された合同歌集『南光』(南詠会発行)や、1970(昭和45)年に刊行された合同歌集『黎明』(ロッキー短歌会発行)など、北米移住者の生活が息づく作品集が多く含まれています。『南光』の「巻末言」を見ると、「今や世を挙げての非常時局に際会し、特に日米両国間嬉々の声を聞くたびに吾等は何かいまの中に纏めて置き度いといふ念願を持つに至つた。」(泊良彦)と、開戦前の緊迫感が伝わってきます。 日系収容所生活体験も持つロッキー短歌会代表の服部尚之(としゆき)さんは『黎明』の中で、「日本語と英語の柵に囲まれてなほ日本の歌を詠みつぐ」と歌われていますが、今回寄贈された資料を読むことで、北米日系人の意識の変容が手に取るように伝わってくるのは、まさに歌の力によるものでしょう。 (文・小塩卓哉)

黎明
※寄贈された資料は、資料館に隣接する図書資料室(海外移住)で閲覧することができます。
 
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