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第3号(2006年3月)巻頭インタビュー いっこく堂さん
いっこく堂さん

たくさんの人を笑顔にしたい

 2体の人形を相手にさまざまな声を使い分けるスーパー腹話術で人々を魅了しているいっこく堂さん。その人気は日本国内に留まることなく、海外でも人々を「あっ!」と驚かせているのです。そんないっこく堂さんが昨年、テレビ番組の企画で南米ボリビアのオキナワ移住地を訪れました。移住地の人々と、どんな触れ合いがあったのでしょうか。

いざ、南米のオキナワへ!

オキナワの地図

 昨年8月、ボリビアに沖縄県出身の移住者が暮らす「オキナワ」という村があるということで、沖縄県出身の僕のところに出演のオファーがあったんです。ボリビアはもちろん、南米自体がはじめての経験。地球の反対側に、日本人が暮らす「オキナワ村」があるということにとても興味を持ちました。
 実は、母方の親戚にブラジルに移住したおじさんがいて、小学生のときに1度だけ会ったことがある んです。子どもだった僕は「ブラジルのおじさん」が日本に来た!ってすごく喜んで、帰国するときにお見送りしたのもよく覚えています。「ブラジルのおじさん」とはそれ以来会うチャンスがなく、残念ながらもう亡くなられていると思いますが、強烈な記憶として残っていますね。
 子どもだった僕は「ボリビア」という国があることすら知らなかったけれど、いまになって思い起こすと、ボリビアにも移住した親戚がいたという話を親から聞いたことがありましたね。移住してすぐ病気で亡くなったのだと。沖縄という移住者が多い土地柄で育ったこともあり、移住は身近なものでした。


ボリビアで見つけた 沖縄の心

 オキナワ村のみなさんにお会いして、「やっぱり沖縄の人は世界中どこに行っても沖縄人だな」と思いました。とってもオープンでフレンドリー、悪く言えばなれなれしい。僕も同じなんですけれどね(笑)。いまの沖縄よりも、僕が子どもだったころの沖縄に近い雰囲気を感じて、懐かしい気持ちになりました。オキナワ村のみなさんは、三線や踊りなど、自分たちの文化を大事にしている。家族や一族のつながりを大事にする沖縄の心を感じましたね。
  一世のみなさんは、移住の歴史や開拓時代の苦労話をいまの子どもたちが聞きたがらないのだと 嘆いておられました。「楽園」という謳い文句に惹かれてやってきたボリビアだったけれど、実はとんでもないジャングルだった。大木を切り倒して家をつくり、野焼きをして畑を作り…。そんな苦労があったからこそ移住地がここまで発展してきた歴史を次の世代にも伝えたいのに、現代に生きている子どもたちにとって、そんな昔話は面白くもないし興味もないんですよね。
 そんな話を聞いて、僕がそれを腹話術にして演じたら、もしかしたら子どもたちにも興味を持ってもらえるんじゃないだろうかと思いました。人形に語らせることによって、普段は耳を傾けてもらえないような話を聞いてもらうことができたり、ちょっと言いにくいことなんかもサラっといえてしまったりすることがあるんです。実際、子どもたちは真剣な表情で僕の腹話術を見てくれて、おじいちゃんやおばあちゃんのなかには涙を流しながら見てくれた人もいました。

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子どもたちの笑顔

 もともと役者を夢見て東京へ出てきた僕だけれど、いつのころからか自分には「役者」としての目標がないことに気づいてしまった。そうなると、自分がしていること、生きていることの意味がほしくなりました。そんなときに出会ったのが腹話術でした。役者仲間たちからは「バカじゃないのか」とか「腹話術なんてもう終わった芸だ」などと言われました。でも僕は、誰も見たことがないような新しい腹話術をやってやろうと思っていました。
  2000年にラスベガスで開催された世界腹話術大会に初めて出場し、2003年以降は世界各地で公演を行っています。ときには言葉がまったく通じないこともあります。そんなときは、お客さんを舞台に上げて人形と即興のやり取りをしてみたり、触ってもらったり写真撮影をしたり・・・それだけでもほんとうに喜んでくれるんですよ。
  2004年のアジア公演のときでした。貧しい地域を人形を持って歩くだけで、僕の後ろをたくさんの子どもたちがついてくる。「なんだろう?」って目をキラキラさせてどこまでもついてくるんですよ。その子たちの笑顔や目の輝きを見ていて、「僕がやりたいのはこういうことなんだ」って改めて思いましたね。自分がこの仕事をしていることの意味っていうのかな、それを感じました。
  ショービジネスの世界で生きているから、「世界で認められたい」という目標はもちろんあります。でも、それ以上に将来の夢として、貧しい人々が暮らす国に移り住んでショーで稼いだお金を貧しい人たちに還元できるようになりたいと思っています。
  もともと腹話術は生きることの意味を求めてやり始めたことですから、その部分をずっと忘れずにいたい。地道な活動でもいいんです。今後も、いろんな国へ出かけていって、たくさんの人たちを笑顔にしたい。南米で暮らす移住者の方たちのところへも、ぜひまた会いに行きたいです。

いっこく堂さん
いっこく堂

沖縄県出身。俳優を志し上京し、劇団民藝に入団するがその後腹話術師に転身。1993年、2つの人形を使ったトリオ腹話術でデビュー。さまざまな声を使い分けるスーパー腹話術「ボイス・イリュージョン」で注目を集め、以降、ライブやテレビ、ラジオなどで幅広く活躍中。2003年以降は積極的に海外公演を行っている。


オフィシャル・ホームページ http://www.ikkokudou.com/


 
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