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公開講座「日本人と海外移住」
   

第4回「カナダへの移民」河原典史(立命館大学教授)

第4回概要
「江州ソーミル、熊本ヤマ、死ぬよりましかなヘレン獲り」。これは、「カナダへの移民」の特色を端的に示しています。つまり、滋賀県出身者は製材所(Sawmill)、熊本県出身者は山奥で伐木や炭坑に携わる… しかし、慣れない機械で危険な目に遭うなら、ニシン(Herring)やサケなどを獲る漁業のほうがいいのかも… という和歌山県出身者に伝わる俗言です。本講義ではアメリカ合衆国への移民との違いをふまえつつ、 移民の送り出しと移住先での生業の特色について考えてみます。そのときに、地図や古写真などをご覧いただき、できるかぎりわかりやすく説明します。鉄道工夫の悲劇やガーディナー(庭師)の活躍など、これまであまり知られなかった「カナダへの移民」についてもお話ししましょう。

第4回のレジメ(PDF形式)はこちらからダウンロードできます。

第四回公開講座講義内容報告 
地図資料や写真を用いながら、「いつ、どこから、移住したのか?」「どこへ移住したのか?」をおもに考える歴史地理学の視点から、カナダへの移民についての講義がなされた。
まず、これまでのカナダ日系移民研究の概要とその世界史的な位置づけが説明された。第一次世界大戦による軍需産業の発展を背景に、カナダに渡った日系移民はサケの缶詰工場で働いていた。缶詰工場で働いていた和歌山県出身者移民の研究がおもになされてきたとのことである。
同じ北米でもアメリカへの移民との違いにも言及しながら、移民の出身地やカナダでの仕事についての説明が続いた。
横浜にゆかりの氷川丸で多くの移民が日本からカナダへ渡り、漁業、製材、鉄道敷設関連の仕事に就いていた。出身地は西日本地区、とくに浄土真宗派の多い地区からの移民が多く、滋賀、熊本、和歌山などがおもな出身地であった。
和歌山の地図を参照しながら、和歌山県出身がおもにどの地区からどの方面へ移民していったのかが説明された。平野部からはおもにアメリカへ、海岸部からはおもにカナダへ。
続いてカナダの地図を指しながら、移住先となった地域についての説明があった。製材所があった港湾地区にあるパウエル街に日本人が多く住んでいたこと、さらに現在のパウエル街の様子が写真とともに紹介された。
日本人移民の仕事や生活について、保険地図や写真、関連資料を使って解説がなされた。バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州の各地に日本人が居住していたこと、中国人やカナダのネイティブ・インディアンとともに仕事をしていたことに加え、ネイティブ・インディアン、中国人、白人、日本人それぞれの住居の特徴が説明された。 また、ガソリンボートの普及とともに、日本人船大工が移民してきたこと、日本人が太平洋沿岸の新しい漁場を開拓していったことが解説された。
サケ漁に加え、塩ニシン製造業やクジラ漁と日本人についても説明があった。  塩ニシン製造業は、第一次大戦の影響でヨーロッパのニシン産業が下火となるなか、日本人がカナダにて自身の資本投入し発展させていった。ニシン漁に要する技術は、和歌山県三尾出身者によりもたらされ、元炭坑労働者だった白人も従事していた。東アジアへの輸出や魚肥製造についても説明された。
クジラ漁については、日本人はクジラ漁ではなく解体や鯨油づくりに従事していたことや捕鯨基地での居住パターンが紹介され、捕鯨基地の日本人リーダーや親族へのインタビューについても紹介された。
さらに、これまであまり触れられることのなかった日本人鉄道工夫やガーデナー(造園業従事者)についても解説された。
多くの鉄道工夫を送った東京移民合資会社の存在や移民募集の背景、アメリカ移民との関係、密航事件の謎など、日系カナダ移民史を把握するうえでの重要性が説明された。多くの犠牲者を出したロジャーズ峠の悲劇とその犠牲者遺族を日本から招待した百回忌記念、記念碑についても写真を用いながら紹介された。
庭園業については、やや後の時代に移民してきた鳥取県出身者が多く従事していること、はじめて日本庭園を作った岸田親子、その後のビクトリアでの日本庭園の広まり、横浜との関係について説明があった。祖父が漁業、父が庭園業に従事していたという例が少なくない背景に、どのような事情があったのかも説明された。
移民二世による野球チーム「バンクーバー朝日軍」についての紹介および説明がなされ、講義は終了。最後に会場から質問・コメントがあり、講座は終了した。

 





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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