展示概要 

  日本とは文化や習慣の異なる海外に移り住み、そこで暮らすことになった日本人移民の暮らしとは、一体どのようなものだったのでしょう。移住先の異なる環境の中で、食事や言葉、娯楽やコミュニティ活動等で直面した課題に、どのように対処してきたのでしょうか。日本を離れても生活に欠くことのできないものとは?現地でおかれた状況の中で適応してきたこととは?これらは何だったでしょうか。

  当初農村部や移住地に入った移住者は、多くの制約や課題の中で、日本人同士で助け合いながら日本人会を組織し、子供たちのために日本語学校を作り、日本語を話しながら、いわば日本村の中で日本と同じような生活を追い求めていました。

ところが、滞在年数を重ねていくと、あるいは都市部へと広がっていく人たちが増加すると、次第に現地の生活様式をも採り入れ、移住者ならではの工夫も見られるようになります。都市部においては、日本人が少しずつ集まるようになると、日本人街、日本人町、日本町などと呼ばれる集住地域が生まれていきます。そこには、食料雑貨店、日本食レストラン、和菓子店、日本語新聞社、邦画シネマ、書店など、各国に共通し典型的な店舗が姿を現していきました。

本展示では、海外日系人の暮らしを「食す」「伝える」「楽しむ」「祝う」の4つに分けてご紹介します。日本にいる私たちにはお馴染みで当たり前にも思えることが、異文化においてはゼロからの出発、試行錯誤の繰り返しであり、長年の努力や工夫による賜物でもあります。日々の暮らしの中で目にする品々をとおして、そうした移住者の取り組みの姿を感じ取っていただけると幸いです。